4月16日に衆院第2議員会館で行われた鈴木宗男元衆院議員主催の「東京大地塾」での講演で、こんなやりとりがあった。
佐藤氏「日露関係は悪化しつつある状況を、いかに現状でとどめるかが当面の課題となります。(鈴木)先生、このままいくと『ビザなし交流』が止まるかもしれませんね」
鈴木氏「そうですね」
佐藤氏「ロシア側がパスポートを持って査証(ビザ)を取ってこいと言い出す可能性は十分あります。プーチン大統領の年内来日は相当難しくなってきていますが、首相官邸なり外務省がそれをどこまで読めているかは非常に難しいところです」
佐藤氏が懸念する通り、外務省は状況を読めていなかった。
筆者が翌日、ある外務省幹部に「ロシア側が今後、ビザなし交流を止める可能性はあるとみているか」と直撃したところ、同幹部はこう笑い飛ばした。
「それはない、ない。あるわけない。(ロシアが)それをやったら終わりだよ」
外務省幹部の見立ては見事に外れ、ロシアに「終わり」のことをやらせてしまったのである。
外務省にしろ首相官邸にしろ、対露外交は「機能不全」状態といえるのではないか。とにかくロシアになめられっぱなしで、満足に反撃できていないのである。