【シンガポール=吉村英輝】東南アジア各国が、南シナ海で軍事的に台頭する中国に対抗するため、軍備増強を図っている。ロイター通信によると、国際軍事専門誌IHSジェーンズ・ディフェンス・ウイークリーは26日までに、東南アジア各国の年間国防費が今年予想の計420億ドル(約5兆円)から、2020年には計520億ドルに増加するとの見積もりを示した。
増額の主要部分が、新規の装備品購入を中心とした海軍関連費用で、今後5年間で総計580億ドルが投じられると予想。これら装備品の多くはスプラトリー(中国名・南沙)諸島で人工島建設を続けるなど、強硬な中国に対抗する運用を念頭にしているとされる。
東南アジア各国は、経済成長とともに、軍事装備品の近代化を加速させている。ストックホルム国際平和研究所によると、インドネシアの13年の軍事支出は、10年前の2・4倍となる89億9千万ドルに拡大した。「海洋大国」を目指すジョコ政権は、さらに海軍力強化を進める方針だ。