日韓防衛相会談が30日にシンガポールで予定されているが、韓国側が防衛秘密を交換する際の手続きを定めた軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の早期締結合意に難色を示していることが24日、分かった。複数の政府関係者が明らかにした。日韓事務当局の間では協定締結の必要性で一致しているが、韓国国内の反日感情や中国への配慮が締結の障害となっている。
日韓GSOMIAは本来、平成24年6月に締結される予定だった。だが、国内世論の反発を受けた韓国政府が署名式直前にキャンセルしたままとなっている。
日本側は「安全保障分野で日韓は密接に協力していかなければならない。GSOMIAは重要だ」(中谷元=げん=防衛相)と位置付けており、政府内には約4年ぶりに開催される防衛相会談を機に前進を期待する声があった。
しかし、韓国側はこれに応じず、事前の事務当局間交渉でも早期締結に向けた調整は進められていない。韓国側が首脳会談が開かれていないことなどを背景に、消極的な姿勢を崩していないためだ。韓国国内では機密性の高い軍事情報を日本と共有することに抵抗が根強い。また、日韓間の軍事分野での連携強化を警戒する中国への配慮もある。