日野市は、ICT(情報通信技術)を活用した次世代の学校教育を推進するため、信州大学、東芝などと共同プロジェクトを始動した。同市立平山小学校(五十嵐俊子校長)にこのほど、手書き入力ができる東芝製タブレット端末240台を導入。授業で使うほか、一部児童に端末を貸与し、自宅など学校外でも使う日常的ツールとしての効果も検証、学びの過程や成果を分析して、ICTの新しい活用法を開拓する。
大坪冬彦市長は「未来を生きる子供たちの力を伸ばすためICT活用で全国モデルになってもらいたい」と期待を語っている。
プロジェクトには日本マイクロソフト、シャープビジネスソリューションも参加。信州大教育学部の東原義訓教授が学校や企業との調整役になって教育システムの開発に当たり、各企業はそれぞれのICT技術、関連製品を提供して平成29年3月まで実証を進める。
平山小では、すでにプロジェクトに基づく授業がスタートしており、今月18日に6年生3クラスの授業が公開された。このうち、円の面積を求める算数の授業では、児童がタブレットに手書き入力した計算式や答えが、インターネットのクラウド経由で先生の端末に表示され、先生は直ちに評価やコメントを書き込んで児童に送り返す取り組みを実施。自宅など学校外での学習にもシステムが応用できることをうかがわせた。
平山小は、22年度の総務省「ICT絆プロジェクト」で児童学習用タブレットを導入、ICTを活用した効果的な指導方法の研究を進め、児童の学習力、学習意欲を向上させるなどの成果をあげ、26年度の「情報化促進貢献個人等表彰」で文科大臣賞を受賞している。