経済裏読み

韓国版「サブプライム」に例えられた住宅担保ローンの深刻、「時限爆弾」の家計負債はアジア経済の火薬庫か

 韓国経済の時限爆弾ともいわれる家計債務の深刻さがまたひとつ浮き彫りとなった。ローンの利息だけを返済して、元本返済に手をつける気のない借り主が多数存在している実態が分かった。売却益に期待した住宅価格の上昇神話が根強く残っているためだが、長期デフレの崖っぷちに立つ韓国だけに、金融システムへの影響を心配する声が高まっている。韓国メディアは、リーマン・ショックの引き金となった「サブプライムローン」との類似性を指摘。金融危機への懸念を強めている。

“官制市場”で住宅ローンが急増

 2008年秋、米投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻から始まったリーマン・ショック。発端は低所得者向けの住宅ローンの相次ぐ焦げ付きが原因だった。似たような借金問題が韓国経済の重石になっている。

 個人負債残高は昨年末に1000兆ウォン(約110兆円)の大台に突入。足元では、住宅担保ローンの増加が著しい。景気過熱による借金の増加なら喜ばしいことだが、それは規制緩和が生んだ官制市場の側面がある。

 韓国では昨年8月、住宅の担保価値に対する借り入れ可能率(LTV)などの規制が緩和されて以降、ローンが急増した。低金利も後押しし、資金を借りる条件が緩くなったわけだから、融資額が増えるのは当然といえる。

借りた資金は、教育費にも転用?

 問題はその借り方にある。

 朝鮮日報(日本語電子版)によると、新規の住宅担保融資のうち、7、8割が利息だけを返済する借り入れ形態をとっているとのデータがある。

 銀行の融資担当者の声として、借入金は「住宅費だけでなく、子供の教育、生活費などさまざまな用途使われている」と指摘。住宅ローンだけではなく、高金利の無担保ローンを借りている世帯もあるという。

 さらに利息払いの期間を終え、元本返済に移るときには、ほかの金融機関の住宅担保ローンに乗り換え、返済を先延ばしするケースも多く、大学の有識者は「住宅価格の暴落、失業などの危機への対処策がまったくできていない」と警告した。

会員限定記事会員サービス詳細