イスラム国

シーア派狙ったテロで犯行声明 サウジでは初 宗派対立扇動、王室揺さぶりが狙いか

 【カイロ=大内清】サウジアラビアの東部州カティフにあるイスラム教シーア派のモスク(礼拝所)で22日、自爆テロがあり、スンニ派の過激組織「イスラム国」が同日、インターネット上に犯行声明を出した。テロの死者は21人、負傷者は80人超に達した。サウジ国内のテロでイスラム国の犯行声明が確認されたのは初めて。異端視するシーア派を攻撃すると同時にサウジの宗派対立をあおり、敵対するサウジ王室を揺さぶる狙いがあるとみられる。

 声明は、「アブーアーメル・ナジディ」と呼ばれる男がテロを実行したと称賛し、シーア派を「アラビア半島から駆逐する」まで攻撃を続けると宣言した。

 イスラム国をはじめとするスンニ派過激勢力は、信仰体系が異なるシーア派を異端とみなしている。

 またイスラム国は、カリフ(預言者ムハンマドの後継者)によって統治される政教一致国家を掲げ、他のあらゆる政治体制を否定。君主制のサウジに対しては、米国に追随することで、サウジにあるイスラムの二大聖地(メッカ、メディナ)を汚していると繰り返し非難してきた。

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