聞きたい。

四元康祐さん 『偽詩人の世にも奇妙な栄光』 独創性とは? 実感込めて

 吉本の詩も原作の単純な逐語訳ではない。文壇の寵児(ちょうじ)となった彼の紆余曲折(うよきょくせつ)は独創性とは何か?という問いを投げかける。「本歌取りやパロディーは大昔からある。『俺が、俺が』と浅薄な自己表現をしている詩人に比べたら吉本は本物だとも言える。僕もいい偽詩人でありたいとは思いますね。深いレベルで森羅万象をパクリたい、と」

 小説の執筆という「新鮮な体験」を経て、気持ちはまた詩に向かう。

 「詩は基本的に瞬間の産物。でも今回は時間の経過や歴史、その中で変わっていく人間関係を書くことに喜びを感じた。そんな小説的な要素を、詩にも使えればいい」(講談社・1600円+税)

 海老沢類

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【プロフィル】四元康祐

 よつもと・やすひろ 昭和34年、大阪府生まれ。上智大文学部卒。ペンシルベニア大経営学修士号取得。平成3年に第1詩集『笑うバグ』を刊行。詩集に『噤みの午後』(萩原朔太郎賞)など。ドイツ・ミュンヘン在住。