湯浅博の世界読解

挑戦的な「あの国」利する? オバマ外交は「自分自身を封じ込めている」の痛烈批判

米欧で活躍してきた著名な戦略家ジョセフ・ヨッフェ氏は怒りのあまり、オバマ外交が「この6年間、何も学んでいない」と嘆いた。安全保障、自由貿易、航行の自由を阻害する秩序の破壊者を放置し、「挑戦国を封じ込める代わりに自分自身を封じ込めている」と米紙で痛烈に批判している。(SANKEI EXPRESS

70年前の米国も第二次大戦に疲れ、2年以内に米軍を欧州から撤兵させる方針だった。しかし、トルーマン大統領が就任するとすぐに冷戦が始まる。トルーマンは撤兵をやめ、直ちに対ソ戦略を練り上げた。

きっかけは、ジョージ・ケナンによる警告である。モスクワの米国大使館にいたケナン代理大使はソ連の拡張主義を警戒する長文電報を本国に送り、1947年には「X論文」を発表して対ソ「封じ込め戦略」を提起した。

ヨッフェ氏はいま、「オバマ政権のホワイトハウスがX論文を読んでいるとは思えない」と米紙ウォールストリート・ジャーナル(12日付)で叱りつけたのだ。オバマ政権が「自分を封じ込めている」とは言い得て妙だが、事態は深刻である。