いわき市で22日開幕した第7回「太平洋・島サミット」には、パラオをはじめ16カ国の首脳らが参加した。市民は横断幕を掲げて各国の首脳らを温かく出迎え、内堀雅雄知事は自ら主催する昼食会に招き、歓迎ムードに包まれた。各国の首脳らは東日本大震災の津波被災地を視察、説明に熱心に耳を傾けた。
昼食会が開かれたパレスいわやの玄関前付近には大勢の市民が集まり、横断幕で各国首脳を出迎えた。内堀知事とともに、「太平洋島サミット応援隊」の地元高校生らが県のマスコットキャラクター「キビタン」のぬいぐるみを首脳らに手渡した。首脳らは生徒と握手をしたり、ぬいぐるみの頭をなでたりして感謝の気持ちを表していた。
応援隊のいわき総合高校3年、山中優花さん(17)は23日の首脳夫人との交流プログラムに参加するため、英語の勉強に力を入れてきたといい、「とても緊張しますが、福島が元気に復興している様子を島サミットを通じて世界中の人々に知ってもらいたい」と力を込めた。
昼食会で内堀知事は「福島県で初の首脳会議の開催は、震災の教訓を国内外で共有する上でも意義深い。世界に誇れる復興に向けて全力で取り組んでいきたい」とあいさつ。
会津塗りの置き時計を贈呈したほか、風評被害を払拭しようと、いわきの地酒「又兵衛」で乾杯し、川俣町のシャモや須賀川市のキュウリなどの県産食材をふんだんに使った料理を振る舞った。
昼食会後は、現地入りした安倍晋三首相と昭恵夫人も加わって、市内で津波被害が最も甚大だった薄磯地区を視察した。清水敏男いわき市長が市内の被害や復興状況についてパネルなどを用いて説明した。
薄磯地区で民宿「鈴亀」を経営している区長の鈴木幸長さん(62)は「被害が大きかった薄磯をサミットで選んで見てもらえてよかった。復興も徐々に進んでいるので復興の先を見据えて頑張っていきたい」と話した。