世界文化遺産に登録見通しの「明治日本の産業革命遺産」(福岡など8県)に関する日韓事務レベル協議が22日行われたが、歴史問題に執着し反対する韓国と遺産の政治問題化を疑問視する日本との溝は埋まらなかった。この協議に先立ち、国際会議出席のために訪韓していた国連教育科学文化機関(ユネスコ)のボコバ事務局長に朴槿恵(パク・クネ)大統領をはじめとする高官らが登録反対を求める「直訴」を相次いで行い、韓国内でも大きく報道された。本来の訪問目的である国際会議の話題が二の次になってしまったことをボコバ事務局長は、どう受け止めたのだろうか…。(ソウル 名村隆寛)
7月3~6日の世界遺産委員会(ドイツ・ボン)での登録正式決定を先に控え、ボコバ氏はこのほど韓国を訪れた。ただし、訪韓目的は19日に仁川で開かれた、今後15年間の世界の教育の課題を協議する世界教育フォーラムへの出席だった。
ところが、フォーラム当日、尹炳世(ユン・ビョンセ)外相はボコバ氏との会談で「日本が(朝鮮人)強制労働の歴史を無視したまま登録しようとしている」と登録見通しに憂慮を示し、反対の考えを伝えた。