香港のNGOが、街に落ちているゴミを集めて、付着したDNAから落とし主の顔をデジタル写真に復元。ポスターにして掲示している。
今度、タバコの吸い殻などを地面にポイ捨てしそうになったら、この恐ろしい事実を思い出してほしい。1ナノグラム未満の乾いた唾液からでも、科学者は、本人の顔に薄気味悪いほど似たデジタル写真を作成できるということだ。
近未来的技術を利用した指名手配写真を思わせるこれらのポスターは、香港の非営利団体「Hong Kong Cleanup」のために、広告代理店オグルヴィが制作したものだ。
このプロジェクト「Face Of Litter」(ゴミの顔)は、2013年に話題になったプロジェクト「Stranger Visions」によく似ている。ニューヨーク市に住むアーティスト、ヘザー・デューイ=ハグボーグは、街角に落ちている髪の毛や爪、タバコの吸い殻、チューインガムなどのDNA情報から、顔を再現した3Dプリント作品を制作したのだ(日本語版記事)。それは、こうした生物学的手段を、どういう目的で用いるべきかをめぐる議論を引き出すものとなった。
香港のプロジェクトの場合は、クリエイティヴ・チームに、米国ヴァージニア州の企業Parabon Nanolabs社が協力している。同社は犯罪捜査のツールとして利用するために、微量のDNAからデジタル写真を作成する方法を開発している。米国防総省の支援を受けて、5年以上前からこの技術開発を行っている。
(関連記事)