日本の議論

「強制徴用の記念碑造ったら?」世界遺産議長国ドイツ仲裁案の不安…また反発・韓国の猛攻、絶対に負けられぬ日本の「外交戦」

 世界遺産登録の目前まで漕ぎ着けた「明治日本の産業革命遺産」。近代化の原動力となった製鉄所や造船所、炭坑などが世界史的に評価された証だが、これに韓国が猛反発している。朴槿恵(パク・クネ)大統領自ら外遊先で登録阻止を訴えたり、国会委員長が反対を呼びかける書簡を各国へ送ったりと、国を挙げてなりふり構わぬ反日姿勢をアピールを続けている。一方、日本側も登録の可否が最終的に決まる7月に向けて水面下でロビー活動を強めつつある。華麗な文化の殿堂入りをかけて繰り広げられる熾烈(しれつ)な外交戦争の戦況を占ってみた。

「強制徴用」にわかに過熱 最終決定の可否「予断許さぬ状況」

 朗報が舞い込んだのは今月4日のことだった。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)が、その島影から「軍艦島」の愛称を持つ端島炭坑など23施設で構成される「明治日本の産業革命遺産」を世界文化遺産へ登録するよう勧告した。

 最終的な登録の可否は、7月3~6日にかけてドイツ・ボンで開かれる世界遺産委員会で審議した上で決まる。この委員会は日本と韓国を含む21の委員国で構成。登録の可否は通常、専門家集団であるイコモスの勧告が尊重される。

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