歩行弱者のまち歩きサポート ママ友が生みの親「ちよだバリアフリーマップ」

 ■区役所などで無料配布

 坂の勾配◯度、ホームと電車のスキマ◯センチ…。車椅子での外出に、安心なルートや危険個所が一目でわかる「ちよだバリアフリーマップ」が評判だ。千代田区在住の2人のママ友が始めた地図作りに多数のボランティアが参加して、街の障壁を調査し、随時情報を更新。平成25年度からは区が地図を買い取り、区役所などで無料配布している。(重松明子)

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◆勾配など細かく調査

 「街は日々変わっていくのに、バリアフリーマップの多くは一度作ったらそれっきりになりがち。そこで自分たちで調査し、必要な方々と情報を共有したいと思ったんです」と、同区内神田在住の渡辺美樹さん(48)。

 今春高校3年になった渡辺さんの双子の長男・次男は、出産時の酸素不足で下肢に障害がある。家族ぐるみの付き合いで成長を見守ってきた20年来のママ友、金子久美子さん(55)とともに5年前、バリアフリーマップを制作するボランティア団体「リーブ・ウイズ・ドリーム」を立ち上げた。

 自ら車椅子に乗って、緩やかに見える坂のつらさなども体験して作るマップ。坂道やスロープの傾斜は2度から表記し、段差や道幅、石畳の凸凹などの障害を明示。特に危険な場所はマークで注意喚起する。障害者用トイレやエレベーターなどのほか、史跡などのまち歩き情報も加えた楽しいつくりとなっている。

 外出をためらいがちなベビーカーや高齢者にも役立つ点が評価され、財団法人まちみらい千代田が助成対象団体から選ぶ「サポート大賞」に初めて3年連続(22~24年)で選ばれた。

 25年度からは区が地図を買い取り経費を補助。年に3、4回実施するまち歩き調査には、区内の企業や学校単位で100人を超えるボランティアが集まり、調査の精度も上がっている。

 ◆五輪までに多言語化

 現在までに「秋葉原・神田」「永田町・霞ケ関」「皇居・丸の内」など6冊を発行。今後2年間で区内全域を網羅し、既刊の地図も順次改訂する予定だ。

 「地図の翻訳ボランティアをやりたいと申し出てくれる方もおり、5年後の東京五輪・パラリンピックまでに多言語化を目指します」と金子さん。紙のマップと並行して、ホームページで公開している地図をスマートフォン対応に改良する必要もあるという。「継続が大切な事業。多方面からのご協力をお待ちしています」と呼びかけた。

 マップは区役所と6カ所の出張所、同区観光協会で無料配布。問い合わせは区福祉総務課(電)03・5211・4210。

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