「韓国はもう反日をやめるときだ」 「日韓対立の真相」著者の武藤正敏・前駐韓大使に聞く

 慰安婦問題については、自身も強烈な体験をしている。平成4年に、外務省の北東アジア課長として、宮沢喜一首相(当時)の訪韓に同行したときのことだ。訪韓直前の朝日新聞の慰安婦報道で、それまでの歓迎ムードが一転した。

 「日本大使館の前にはデモ隊が押し寄せ騒然たる雰囲気で、最悪のタイミングだった」。武藤氏はこの宮沢首相訪韓が、日本で嫌韓ムードが広がるきっかけになったとみている。

 続いて、韓国が不法占拠する竹島問題について、「これは領土問題であり、歴史問題ではない。そこをはっきりさせないと、国民感情が悪くなるだけだ」と指摘する。一方、韓国の反日については「韓国では政治を離れ、国民レベルでは、日本が好きという人がむしろ多いと思う」と話し、「反日を言っているのは朴槿恵(パク・クネ)大統領であり、政治家であり、マスコミであり、非政府組織(NGO)だ」と非難した。

 「韓国人から『韓国の理解者だと思ったのに見損なった』といわれるだろう。韓国の友人もいっぱい失うかもしれない。自分は、日韓関係を改善するため捨て石になるつもりで書いた。韓国の人にこそ読んでほしい」

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