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流行のTV番組で「ヤバい祖先に触れるな!」 大スターの裏取引き、浮かんだ米国の真実

 しかし、騒ぎは収まらないため、アフレックさんは翌22日、自身のツイッターで、奴隷所有者だった祖先について「ベンジャミン・コールというジョージア州に住んでいた母方の6世代前の祖先だ」と詳細を明かすなど、火消しに努めました。

 このツイートを受け、欧米主要各メディアはジョージア州で独自取材し、この人物が25人の黒人奴隷を所有していたなどと報じました。

 米国人は他国の国民以上に政治家やメディアの裏工作や隠し事が大嫌いです。国民の権利意識が極めて強いお国柄だけに、法律で定められた個々の知る権利が侵害されていると感じるためですが、この問題、日本人から見れば意外な展開になっているのです。

 本来、メディアの裏工作や、多民族国家ゆえの人種差別系問題には極めて敏感なはずの米国人が、この騒ぎに関してはアフレックさんやPBSを叩くどころか、けっこう擁護派が多いのです。

 実際、アフレックさんが釈明した4月21日のフェイスブックの投稿には1万5000人以上が「いいね!」をクリック。

 さらに、この釈明に対する感想の投稿も、彼が真実を述べて謝罪したことよりもむしろ「ベン、祖先の過ちであなた(の人間性など)が判断されることはありません。これは米国の歴史です。1人で奴隷制度という(米国の)恥をしょいこまないで下さい。私はあなたが偉大で人道的な俳優だと思います」「彼のどこが人種差別主義者だというの?。彼の祖先がしたことは彼の過失にはなりえない。みんなが不快になることは何もない」「私の父方の祖先には奴隷所有者がいたが、彼は(黒人の権利向上をめざす)公民権運動に参加していた。私はあなたの気持ちが理解できる。あなたは1人じゃない」といったもともと恥じることではないといった意見が多数を占めたのです。

 これは米国人の偽らざる本音のようです。実際、この番組でCNNの看板キャスター、アンダーソン・クーパー氏が出演した際、彼の祖先には黒人奴隷の所有者がいただけでなく、その祖先は奴隷の1人に鍬(くわ)で撲殺され、その奴隷が絞首刑に処されたという壮絶な過去が暴露され、当人も大きなショックを受けた模様が茶の間に流れたのですが、クーパー氏を叩いたメディアはなく、イメージは全く悪化しませんでした。

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