安倍晋三首相らと良好な関係を築いていた維新の党の橋下徹最高顧問(大阪市長)が政界引退を表明したことで「政高党低」と揶揄(やゆ)される官邸と自民党執行部との力関係にも影響が出始めた。二階俊博総務会長は18日の講演で、橋下氏を痛烈に批判。首相は橋下氏との関係を政局運営のカードの一つにしていただけに、悲願の憲法改正などで難しいかじ取りが迫られそうだ。
「やかましいこと言った人がおったでしょ。結局負けちゃった。引退してもらうよりしようがない」
二階氏は18日、都内での講演で「大阪都構想」の住民投票が否決されたことを受け、橋下氏をこうこき下ろした。
二階氏は「住民投票で反対派が負けてしまえば、大阪の政治はめちゃくちゃになる」とも強調。反対運動を他党とともに展開した党大阪府連を「個人的にはまったく理解できない」と批判した菅義偉(すが・よしひで)官房長官をやんわりと牽制(けんせい)した。