映画「国際市場で逢いましょう」 庶民目線で描く先人の苦労

 主人公のドクスは、ユン監督の父親がモデルだ。韓国がまだ貧しく、苦難が続いた時代のエピソードがてんこ盛りで、そこが観客の涙を誘う。

 「韓国の現在の繁栄は決して『天から降ってきた』ものではなく、両親や祖父母の世代が血のにじむような努力や苦労を重ねてきた結果です。その世代が今や亡くなったり、引退する時期になったりしている。この映画で苦労をねぎらいたい、という思いが強かった」

 それは苦難の時代を知らない若い世代へのメッセージでもある。

 「若い世代は先人の苦労を知らないで、親たちを平気で無視したりする。日本も同じではありませんか。やはり、大きな戦争から立ち上がり、大変な苦労をして奇跡的な経済成長を成し遂げたのに、子供たちは、それを『当然のこと』だと勘違いしていますね」

 ところで、本作には、韓国の戦後史とは関わりが深いはずの「日本」が全く登場しない。よくも悪くもである。

 「意図的ではなく、『自然に』そうなった」としたうえで、ユン監督は「親の献身や家族の愛は万国共通の感情です。政治的に敏感な問題があるのは承知しているが、日本と韓国には似ている部分も多い。親近感もある。この映画は特に日本の若い世代に見てほしいと思っています」と話す。

会員限定記事会員サービス詳細