正論

京都議定書の「呪縛」を解き放て 経団連21世紀政策研究所研究主幹・澤昭裕

 今年末にパリで開かれる国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)に臨む日本のあるべき基本姿勢とは何か。

 日本は京都議定書成功の立役者の一人である。議長国としてその成立をホストし、達成が難しいといわれた第1約束期間の削減目標(6%)をクリアした。そのことに胸を張るべきであって、日本が「諸外国に比べて取り組みが消極的で恥ずかしい」などという批判に耳を貸す必要はない。

 ≪日本が果たした大きな貢献≫

 米国は高い目標(7%)を掲げるパフォーマンスで喝采を浴びたにもかかわらず、批准の努力もせずに、政権が民主党から共和党に交代すると、京都議定書から撤退し二度と復帰しなかったことを忘れてはならない。

 また、欧州は1990年という特殊な年を基準年とすることに固執して、自らの削減目標(8%)の達成が圧倒的に容易になるように、外交的権謀術数を働かせてきた。東西ドイツの統合による経済効率化や、英国での天然ガスへの燃料転換という、温暖化対策とは無関係な、しかし大きな温室効果ガス排出削減効果をもった出来事を目標値達成の計算に織り込めるようにたくらんだのだ。