環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の首席交渉官会合に向け、鶴岡公二TPP首席交渉官は13日、米領グアムに出発した。鶴岡氏は、出発前に記者団に、米議会上院で12日に米大統領貿易促進権限(TPA)法案の審議入りに必要な動議が否決されたことに触れ、「(TPA法案が成立しなければ)交渉をまとめる必須条件が整わないことになり、交渉を進展させることはなかなか難しい」との認識を示した。
TPP参加12カ国は15~25日までグアムで首席交渉官による交渉会合を開く。知的財産などの難航分野で論点をまとめ、早ければ5月下旬にも閣僚会合を開き、大筋合意に持ち込みたい意向だ。
ただ、鶴岡氏は「TPA審議が進む見通しがないことが確定的になると、各国のTPP交渉に臨む姿勢を積極的にさせることにはならない」と交渉の遅延を懸念。「米国議会の審議は同時並行で進んでおり、首席交渉官会合では米国議会の動向に注目しながら精力的に交渉する」と述べた。