世界遺産「勧告」

韓国主張に地元「そんなに先祖大事なら、花でも手向ければよかばってん…そんな行為は見ませんけど」

 今回の産業革命遺産は、極東の日本という国が、近代化に成功し、欧米列強と肩を並べるまでに成長した歴史を振り返るものだ。韓国が主張するような旧民間人徴用工問題とは、年代ばかりでなく、歴史的な位置付け、背景も異なるといわざるを得ない。

昔は遊郭もあったけど…

 明治日本の産業革命遺産23施設のうち、韓国側が強制徴用された朝鮮人が働いていた、と主張するのは7施設ある。その主張によると約4万人の朝鮮半島出身者が働かされたというのが、長崎港から南西に15キロ離れた高島だ。こちらも炭鉱があった。

 軍艦島から長崎港に戻り、高島に向かう船に乗り込んだ。出発時刻が遅かったためか、乗客はまばらだった。

 高島炭坑の主力「高島北渓井坑跡」は、国内で初めて蒸気機関を利用して海底炭田を採掘するという、当時の最新技術が使われた。採掘量は1日300トンを記録したという。

 高島港からバスで5分。炭坑の一つ「北渓井坑跡」には人っ子一人おらず、記者もいったん、通り過ぎるほど寂しい景色だった。

 地元の釣り人(62)は「昔は遊郭もあったけど、閉山してからは誰も来なくなったばい」と嘆く。韓国の主張については「そんなに先祖のことを大事に思うなら、花でも手向ければよかばってんが、そんな行為は見ませんけど」と語った。

 どこの鉱山もそうだが、高島炭坑もまた、危険と隣り合わせだった。日韓併合前の明治39年の爆発事故では250人を超える労働者が亡くなった。昭和60年にも粉塵爆発があり、翌年の閉山につながった。