浪速風

「目の付けどころ」はシャープだったが

大阪市阿倍野区にあるシャープ本社ビル。奇策で経営再建に向かおうとしたが…
大阪市阿倍野区にあるシャープ本社ビル。奇策で経営再建に向かおうとしたが…

これも「目の付けどころが、シャープでしょ。」かと思ったら、1200億円の資本金を1億円以下に減資して法人税法上の「中小企業」になる奇策を断念したという。株価は一時ストップ安に下落した。投資家を惑わせたのはいただけない。そもそも、こうした再建策はシャープらしくない。

▶創業者の早川徳次(1893~1980年)は何度も危機を乗り越えた。関東大震災ですべてを失い、東京の会社を畳んで大阪で再起する。戦後は業績不振で銀行から人員削減を迫られたが、「解雇するくらいなら会社を解散した方がいい」と突っぱねた。「誠意と創意」の二意専心が経営信条だった。

▶鉱石ラジオ、テレビ、電卓、電子レンジなどの日本初、業界初は「人にまねされるものを作れ」という早川のモットーから生まれ、会社を支えてきた。経営再建のためには、社名になったシャープペンシルのようにシンが必要だ。14日に公表される新中期経営計画に注目する。