選挙では事前の世論調査の結果をどう見るかが悩ましい。アナウンス効果が働くからだ。優勢とされた方への投票が多くなるのを楽隊車について行く「バンドワゴン効果」。逆に劣勢が伝えられると判官びいきで同情票、激励票が集まるのを「アンダードッグ(負け犬)効果」という。
▶大阪都構想の是非を問う住民投票で、新聞各社の世論調査はいずれも「反対」が「賛成」を上回った。ただし、産経新聞の調査では前回より「賛成」が増えて差がやや縮まった。その理由が「二重行政の解消」より「思い切った改革が必要」が多かったのに注目する。「反対」もただ現状維持を望んでいるのではなかろう。
▶田中角栄元首相が「選挙の神様」と呼んだ自民党の元選対部長の「票固め十ヶ条」がある。なかでも「得票は一票一票、足でかせぐこと」と「人気よければ陣営が弛(ゆる)み、対立候補に乗ぜられる」は終盤の戒めである。投票日まで1週間を切った。ここからが勝負だ。