一方、キャメロン氏は8日、ロンドンの選挙対策本部で「最も甘美な瞬間だ」と興奮気味に語り、勝利の味をかみしめた。念願の保守単独政権の組閣に着手し、オズボーン財務相、メイ内相、ハモンド外相、ファロン国防相の主要閣僚4人を再任した。
保守政権の樹立で、英政界を覆っていた不透明感は払拭された。最大野党、労働党のミリバンド党首らは辞任。強い指導力を得た首相には、欧州との関係修復や連合王国の統合強化を期待する声も上がる。
キャメロン氏はスコットランドの民族主義の危険を訴えてイングランドの民族主義をあおり、事前の予測を覆して大勝を手にした。だが、民族主義という禁じ手は、SNPと保守党の勢力圏に英国を塗り分ける「国家分断」という大きな傷を残した。
同氏は8日、2期目最初の会見で、英国が「一つの連合王国だ」と強調、「融和と団結」を訴えた。5年後の任期終了まで王国を束ねる明確な未来図を描けるのか、注目されている。