子・孫が語る昭和の首相

(5)大平正芳「あーうー」には理由があった 婿の森田一氏が語る

再評価

 近年、学者や政治家の間で大平を再評価する動きがある。

 今年3月12日夜、自民党幹事長の谷垣禎一、公明党代表の山口那津男、野田の3人が都内の日本料理店で酒を酌み交わした。平成24年に消費税を段階的に10%にまで上げることを決めた当時の3党首による「消費税同窓会」だ。

 この日は大平の誕生日。会合には大蔵官僚として大平に仕えていた元財務相の藤井裕久、それと森田の姿もあった。森田は、大平が好んだ「進退は天に問うべし」などの格言を記した紙を配り、出席者は全員、現在の消費税につながる一般消費税の導入に熱意をみせた大平に思いをはせた。

=敬称略

 ■日中共同声明 日本、中国(中華人民共和国)両政府が国交正常化のため、昭和47年9月29日に北京で調印した文書。中華人民共和国を「中国の唯一の合法政府」と明記した。日本は過去の戦争で中国に与えた損害への「責任を痛感し、深く反省する」と表明、中国は戦争賠償の請求放棄を宣言した。尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐっては領有権問題を棚上げとする日中合意があったとの見方があるが、日本政府は一貫して否定している。

 ■第5回先進国首脳会議(東京サミット) 日本初開催のサミットで、昭和54年6月に東京・元赤坂の迎賓館で開かれた。大平正芳首相が議長を務め、カーター米大統領、サッチャー英首相ら7カ国の首脳が出席した。石油輸出国機構(OPEC)の原油値上げを背景に石油問題が焦点となり、各国が石油輸入量の規制について話し合い、「東京宣言」を発表した。

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