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【出会い、人間像】
--大平正芳との出会いは
「大学3年生のとき。大蔵省を志望することになり、地元の香川出身の津島寿一さん(蔵相などを歴任)の紹介で会いに行ったのが最初です。大平も同郷であり、津島さんの秘書官を務めていました」
--第一印象は
「ちょうど夏で、浴衣姿におなか丸出しで出てきたので、ちょっと頭の悪そうな人だな、よく大蔵省に入れたもんだと思いましたよ(苦笑)。私が大蔵省で主計局に行きたいと言っていると、大平は『それよりも、国際金融局の方が国際情勢がわかって面白いぞ』といわれました。外交が好きなんだなあという印象を受けましたね」
--大平は「哲人政治家」と呼ばれた
「しょっちゅう本を読んでましたね。役所にいても来客の間に読書。お客さんがくるとやめるけど、お客さんが帰るとまた読書をしてました」
--大平は「鈍牛」の異名がある。粘り強い政治スタイルでもあった
「子供のころからです。がまん強くて、俊敏ではないけども、落ち着いて大人びている。若いころから『おとうちゃん』というあだ名でした」
--「あーうー」の発言が有名だ
「大平は自分の発言が全国にどういう影響があるか、アメリカ、中国、ヨーロッパ、アフリカ、全世界に対してどういう影響があるか、それらを考えた上で初めて一言を発してました」