以前、この「ビジネス解読」で、韓国版スーパートレイン「HEMU-430X」、通称・ヘム(海霧)への大きな期待と若干の不安に関してお伝えしたことがあった。日本の新幹線をはるかに上回る最高時速600キロを目指すというロマンに心打たれつつも、この超高速走行を、日本の在来線のような線路で実現させてしまおうというチャレンジ精神には、よけいな心配を禁じ得なかった。
だが今、その不安はますます高まったと言わざるを得ない。
故障発生→粘着テープで運転続行
4月1日、韓国南部にある光州松汀駅は華やかなムードに包まれていた。8兆3000億ウォンを投じた韓国高速鉄道「KTX」の湖南高速本線がめでたく開通したのだ。これで、ソウルと光州が約1時間半で結ばれることになる。
開通式には、マレーシア・陸上公共交通委員会(SPAD)のサイド・ハミド議長の姿があった。韓国は、マレーシアとシンガポールを結ぶ高速鉄道事業の受注を狙っている。韓国・文化放送によると、開通式に出席し、KTXに試乗した朴槿恵大統領は「世界最高水準の韓国の高速鉄道技術と運営経験を世界に輸出しよう」とアピールしたという。