江戸三大祭りの一つで、遷座400年目の神田祭が始まった9日、神田明神は早朝から多くの若者であふれかえった。神社が登場する人気アニメ「ラブライブ!」とのコラボ商品が限定発売されたためで、「こんなことは初めて」と神社関係者が驚くほどの盛り上がりを見せていた。
アニメの舞台は神社の氏子町である秋葉原。登場人物の一人は神社の巫女(みこ)という設定で、神田明神はファンの間で「聖地」と呼ばれている。
創建は奈良時代の天平2(730)年と伝統を誇る神田明神だが、権禰宜(ごんねぎ)の鳥居繁さん(53)は「古いものばかりを追うのが伝統ではない」と話す。
明治時代には歌舞伎の人気役者の浮世絵を作成。新しい物を取り入れることに寛容だったといい、「神社は参拝してもらうことが大事。若い方に来てもらえるアニメとのコラボはドンピシャだった」という。
逆にアニメファンのほうが歴史に気後れしている。東京都八王子市の大学1年、市村和輝さん(19)は限定ポスターを手に入れて笑顔を浮かべていたが、「(コラボは)若い世代にはうれしいけれど、年配の人にはどう映るのか心配」と語った。