浪速風

象のインディラは友好の使者…そして猿は

昭和24(1949)年9月、まだ空襲の焼け跡が残る東京にインドから1頭の象がやって来た。戦争中、象をはじめ上野動物園の動物たちは、脱走すると危険として処分された。「象が見たい」という子供たちの願いに応えて、当時のネール首相がプレゼントしてくれた。象の名前は「インディラ」。

▶ネール首相の娘で、後に首相になったインディラ・ガンジーさんの名を付けた。大分市の高崎山自然動物園で生まれた赤ちゃんザルの命名騒ぎで思い出した。公募に基づき英国の王女と同じ「シャーロット」と名付けたところ、「英国に失礼だ」と抗議が殺到したという。

▶タイムリーな名前の応募が多かったのもわかる。発表前に根回しをしておけば祝福されただろうに、サルにも迷惑な話だ。象のインディラは「インドの子供たちからの愛情と好意の使者です」というネール首相のメッセージを携えていた。そして58年に49歳で死ぬまで日印友好のシンボルとして愛された。