箱根山

「噴火より風評被害が心配」温泉街直撃、宿泊キャンセル相次ぎ

箱根町と箱根温泉旅館協同組合との意見交換会であいさつする山口昇士箱根町長(右から1人目)=7日午前10時、箱根町役場
箱根町と箱根温泉旅館協同組合との意見交換会であいさつする山口昇士箱根町長(右から1人目)=7日午前10時、箱根町役場

 小規模な噴火が発生する可能性があるとして、噴火警戒レベルが引き上げられた神奈川県の箱根山。7日も火山性地震が観測され、引き続き警戒が続けられている。町はホテルや旅館の組合と今後の対応を協議。箱根の基幹産業である観光への影響は大きい。

 地元の温泉街や宿泊施設では、5日頃からキャンセルが相次いでいるという。ツツジの見頃を迎えた「山のホテル」(同町元箱根)では「地震は限定的で、現地では通常の生活が続いている。噴火よりも、風評で観光客が減る方が心配だ」とする。

 箱根温泉旅館協同組合では、組合員への電話調査を行い、宿泊キャンセルなどの実態把握を急いでいる。担当者は「山の下の湯本周辺はそうでもないが、山の上の強羅や千石原、芦ノ湖周辺は観光客が減っているようだ」と話す。

 山の中腹、強羅温泉の宿泊施設に勤める鳴澤(なるさわ)昌人(まさと)さん(45)は「3月から地鳴りが頻発し、山の様子がおかしいとは思っていた」とため息。5日には温泉のボイラーが壊れるほどの揺れにも見舞われたといい、「宿泊キャンセルは多いが仕方ない。警戒レベルの引き上げをゴールデンウイーク終わりのタイミングにしたのは、観光業に配慮した結果だろう」。

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