通信自由化30年(1)

NTT 閉塞破る「光卸売り」 普及加速と機能再編の好機

 NTTドコモやソフトバンクは、3月から光回線とスマートフォンのセット販売を始めた。ドコモにとっては平成3年の設立以来、果たせなかった固定回線の通信サービス参入だ。ドコモ社長の加藤薫(63)は「これで(業績不振の)言い訳はできなくなった」と覚悟を決める。

目標届かず戦略転換

 実際、NTTの光契約者数は伸び悩んでいる。NTTは17年に発表した中期経営計画で「22年までに光サービス加入数を3千万件にする」との目標を掲げた。だが、加入数は1500万件と半分に留まった。新規契約から解約を引いた純増数は縮小する一方で、「100万件売って純増10万件のペースでは続けられない」(NTT東日本の井上福造常務)のが実情だ。

 光サービスの伸び悩みについて、鵜浦は「携帯電話のブロードバンド(高速大容量)化など理由はある」と前置きした上で、「NTTグループは規制を言い訳にして、努力はしてきたのだろうか」と努力不足に言及した。光コラボに踏み切ったのは、自らが主体となって契約拡大をはかるより、「産業界のICT(情報通信技術)活用を促す触媒の役目を担う」(鵜浦)という覚悟の表れだ。

 ただ、鵜浦が昨年5月に光回線卸の構想を発表すると、他の通信事業者やCATV事業者は即座に反対する要望書を総務省に提出した。KDDI社長の田中孝司(58)も「NTTの独占回帰につながる」と、ドコモのセット販売を厳しく批判した。

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