日本の議論

「エナジードリンク」飲めなくなる?「カフェイン過多」が問題化…海外では「過剰摂取で死亡」の例も

 飲料に含まれるカフェイン量は、「医薬部外品」である栄養ドリンク剤の場合は1日1本50ミリグラムまでと基準がある。一方、「清涼飲料水」であるエナジードリンクには基準がなく、医薬部外品では認められないような量が入ったものも売られている。東京都健康安全研究センターが市販飲料のカフェイン量調査をしたところ、最高で1本(500ミリリットル)当たり180ミリグラムのカフェインが含まれていたものもあった。

“多く含む”缶コーヒーも

 内閣府食品安全委員会のファクトシートによると、カフェインの過剰摂取による人への影響として、心拍数の増加や興奮、不安、不眠症、下痢、吐き気、めまいなどが挙げられている。また、肝機能が低下している人では高血圧リスクが高くなることや、妊婦では胎児の発育を阻害する可能性が指摘されている。

 こうしたことから、海外ではカフェインの1日当たりの最大摂取量を設定する国もある。カナダでは健康な成人は1日400ミリグラム(コーヒーをマグカップ約3杯)までとしている。また、英国食品安全庁は妊婦は1日200ミリグラム以下にするよう助言している。

 一方、日本では規制や注意を呼びかけたりはしておらず、厚生労働省基準審査課は「健康被害があれば検討したい」としている。

 ただ、缶コーヒーの中には1本当たり200ミリグラム以上のカフェインを含んでいるものもあり、エナジードリンクだけを悪者にできない面もある。

 エナジードリンクも缶コーヒーも大人が嗜好品として常識的な量を飲む分には問題ないが、小さな子供には1本でも過剰なカフェイン摂取となる。家庭の冷蔵庫で保存する場合は子供が誤って飲まないような工夫が必要かもしれない。

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