日本の議論

「強制起訴」6年、放置されるこれだけの問題点…起訴のダブルスタンダード、被告負担の補償なし、検証舞台も不明

【日本の議論】「強制起訴」6年、放置されるこれだけの問題点…起訴のダブルスタンダード、被告負担の補償なし、検証舞台も不明
【日本の議論】「強制起訴」6年、放置されるこれだけの問題点…起訴のダブルスタンダード、被告負担の補償なし、検証舞台も不明
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 くじで選ばれた国民からなる検察審査会(検審)による強制起訴制度が、平成21年5月の導入から6年を迎える。検察官が独占していた起訴権を国民にも開放する改革だったが、制度導入が成功だったか評価は定まっていない。制度導入後に強制起訴に至った8つの事件で有罪判決が下ったのは2件のみ。とりわけ多くの人が死傷した過失事件では無罪判決が相次ぎ、「いたずらに刑事被告人を作り出している」「制度見直しが必要」との声も上がる。制度を検証し、今後の在り方を探った。(小野田雄一)

制度への評価分かれる

 検審は、有権者からくじで選ばれた国民11人が、検察官が不起訴とした事件について審査し、不起訴が妥当だったかどうかを判断する機関。昭和23年に設置された。しかし平成21年の改革までは、検審が「検察の不起訴は不当で、起訴すべきだ」と議決(起訴議決)をしても法的な強制力はなく、「有名無実化している」との批判があった。

 さらに改革前の司法は、裁判官・検察官・弁護士の専門家のみで運営されていた。しかし検察官の起訴・不起訴の判断や裁判官の判決が国民感覚から乖離(かいり)しているとの批判が強まっていた。そのため強制起訴制度は、裁判員制度とともに司法の国民参加の一環として導入。検審が2回「起訴すべきだ」と議決した事件では、容疑者は自動的に起訴され、裁判所から指定された弁護士が検察官役として立証を担うことになった。

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