坂口至徳の科学の現場を歩く

10億分の1、ナノの世界を肉眼で…阪大、蛍光タンパク質の反応を高速化 超解像顕微鏡技術

 使用した超解像技術の原理は、まず、光(励起光)の照射により、光ったり、消えたりする光スイッチ蛍光タンパク質を、見たいタンパク質に結合する。次いで、この蛍光タンパク質を光らせ、さらに中心部の蛍光を残して周辺部の不要な蛍光を消すように筒状の光を照射して、超微小な蛍光に絞り込むことで解像度を増し、画像をクリアにするもの。

 開発した「コヒノール」は、これまでの蛍光タンパク質に含まれるアミノ酸を改変したもので、観察用の光の照射で「オン」になり、紫外光の照射で「オフ」にスイッチするタイプ。その応答速度は、「オン」のときは従来の4倍、「オフ」で3倍に高速化した。また、切り替えができる回数が25倍と分子としての安定性も高くなった。なかでも特徴的なのは、同一計測法で観察したさいの光強度で、従来の1万分の1-375分の1で済み、光により細胞内で活性酸素が発生して傷害される「細胞毒性」が出る恐れも少なくなった。

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