毎日経済新聞(同)は、「国内最大企業のサムスン電子が従業員の賃金を凍結することによって、ほかの企業でも賃金凍結が相次ぐと予想される」と分析。賃上げの抑制ムードは広がる気配だ。
サムスンの基本給の引き上げ率は2014年は1・9%、13年は5・5%、12年と11年は4%前後だった。
朝鮮日報(同)のコラム記事は、サムスンの社員が受け取る年俸総額が年間8兆ウォンと仮定した場合、年俸が5%上がれば、4000億ウォンのお金が家計に入る計算という。サムスンの賃金動向は、韓国経済の個人消費を中心にした内需を左右しかねない。
家計負債は増加
もう一つ。韓国経済の先行きが危ぶまれている問題がある。それは増え続ける家計債務だ。韓国メディアでも「韓国の家計負債は危険水域を越えている」(中央日報日本語電子版)と昨年末ごろから危機感が高まっている。
韓国銀行が2月下旬に発表した2014年の家計負債の残高は、64兆3000億ウォン増えた。これにクレジットカードによる購入など信用負債を加えると1090兆ウォンにのぼり、国民1人あたりの約2150万ウォンの借金になる。低金利に乗じた不動産購入のためのローンも増えている。
中央日報(日本語電子版)が報じた韓国経済新聞と現代経済研究院の調査によると、「景気回復を体感できない」という回答は9割を超えた。理由としては、3割以上が「家計負債の増加」を上げたという。同紙は「未来への悲観論が広がれば、消費や投資も増えにくい」と警戒する。