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サムスン首位陥落の衝撃 日本法人は六本木から飯田橋へ…韓国では賃金凍結連鎖も

 業績不振にある韓国サムスン電子の低迷がついに従業員の賃金にまで波及してきた。リーマン・ショックで経営不安に陥った2009年以来、6年ぶりに社員の賃上げを凍結すると韓国メディアが相次いで報じた。韓国の国内総生産の2割を稼ぐサムスン電子の賃上げ抑制は、内需に大きな陰を落としかない。個人消費の萎縮は景気減速に拍車。韓国銀行が、韓国経済の弱点になると警戒する「個人消費の鈍化」と「家計負債の増大」は的中しつつあるのか-。

スマホ首位陥落のサムスン

 2013年に営業利益が36兆8000億ウォン(約3兆9900億円)と空前の好決算をたたき出したサムスン電子。しかし、2014年は前年比32%減の25兆ウォンにとどまった。米調査会社ガートナーが発表したサムスン電子の2014年の10~12月期の世界のスマートフォン販売台数は、米アップルに抜かれ、ついに首位から転落。サムスンは2011年からのトップの座を明け渡した。「iPhone(アイフォーン)6」が好調で販売台数が前年同期日約1・5倍になったアップルに対して、サムスンは12%減。3~5位には聯相、華為技術、北京小米科技と中国勢が迫っている。

 目下、サムスンの目の前にある課題は経営の立て直しにほかならない。

 聯合ニュースや朝鮮日報など複数の韓国メディアによると、サムスン電子日本法人が入居している現在の東京・六本木のビルの持ち分を売却し、交通アクセスの便利な飯田橋に移転する検討をしているほか、サッカーのイングランド・プレミアリーグ、チェルシーのユニホームの胸に社名を入れられるスポンサー契約の解除も浮上。ついには従業員の生活に直結する賃金にまで踏み込む決断をしたようだ。

サムスンの賃上げ凍結は拡大か

 韓国ハンギョレ新聞(日本語電子版)は2月下旬、6年ぶりにサムスンが賃金を凍結すると報道。これに先立ち、サムスングループは2000人の系列会社の役員報酬を凍結する方針を決めたという。

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