ところが《満州国建国十周年記念音楽会=42年》で安氏が、自ら作曲した祝典曲を、自らベルリン放送交響楽団を指揮して披露したシーンのフィルムが2006年発見される。当然韓国の文化に従い、安氏は親日韓国人を指弾するブラックリスト《親日人名事典》に「日本の植民地支配(史実は併合)への協力者」として掲載された。
「不詳」とされた作詞者
フィルム発見と批判報道は韓国自身を追い詰めた。この国の「間の悪さ」を絵に描いたように。祝典曲は愛国歌のメロディーの一部にウリ二つ。日本が事実上建国した満州国と、日韓併合(1910年)で日本となった韓国の、関係楽曲が似ていても違和感はまったくない-などと言ってはいけない。歴史には「都合」も「不都合」もなく、唯唯史実のみ存在するはずなのだが、韓国人は「不都合な歴史」に凄まじい衝撃を受けるのだ。