CMウオッチャー

下戸じゃなかった「孤独のグルメ」の松重豊…今やCMの売れっ子、ヱビスビールCMで新境地開拓

 松重さんは最近になってCM出演が相次いでいるというイメージが強いが、実は声だけの出演の経歴は長く、数々の一流ブランドCMに携わってきた。NHKや民放を問わず、テレビ番組のナレーターも数多く務める。5月に上映されるアニメ映画「百日紅(さるすべり)」では葛飾北斎役を担当するなど、声を武器にした活躍も目覚ましい。最終的には声が今回のCMの決め手となった。

 松重さんが心がけたのは「孤独のグルメと同様、ことさら演技ではなく、おいしいという実況を行うこと」。CMではヱビスがこだわっている原料の麦芽・ホップ、製法などに焦点を当てながらヱビスにしか作れないコクの理由を、松重さんの表情と声でひもといていく。制作現場では「どのシーンを切り取っても納得性が高かった」(野瀬取締役)という。

 松重さんは「多少の違和感を覚えるかもしれないが、その部分を含めて楽しんでいただければ」と語る。それだけ「下戸の井之頭五郎」というイメージが強いわけで、ヱビスビールの新CMで新境地を開拓しようとしている。

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