関西の議論

「商業主義が行きすぎたか」STAP騒動は「ネイチャー」にも問題…日本のトップ3が明かした本音

 上本 肝臓の場合、再生医療が可能なケースもあります。それは体内で特定の酵素を作ることができないという生まれつきの代謝性疾患。この場合、肝臓全体を入れ替えなくても酵素を作る細胞を移植すれば一時的には効果があるのではないかということで、研究が進んでいます。

 また、血糖値を調節する物質「インスリン」を分泌する膵島(すいとう)の移植も現実的です。実際、すでに1型糖尿病の患者さんで脳死膵島移植が実施されています。もしiPS細胞からきちんとした膵島細胞ができれば、再生医療が可能かもしれない。まだ実際に使える細胞はできませんが、世界中で研究されています。

 --iPS細胞への期待が高まっていますね

 高橋 もう、それはすごい。産官学で盛り上げようという状態です。

 先ごろ薬事法が改正されて、世界がびっくりするような法律ができた(平成26年11月に施行された改正薬事法ではiPS細胞を使った再生医療製品などは安全性を確認のうえ条件つきで早期に承認して市販後に有効性を検証できる。実用化までの期間が短縮されると期待されている)。

 海外の企業からも、「こんな短期間で承認してもらえるのか」と注目されている。国は思い切った法律を作ってくれましたが、科学者もしっかりしなければ実は危ない。

 上本 そういった意味では、国と一緒に進めていく必要がありますね。あまり現場だけで走ると逆に危ないこともある。

「研究…もう密室ではない」

 --昨年はSTAP細胞をめぐる一連の問題が世間を騒がせました

 上本 あの問題で、基礎研究にたくさんの目が向けられるようになった。今ではインターネットでいくらでも情報が手に入るので、おかしいことはおかしいとすぐ分かってしまう。専門的な研究でも、たくさんの人に見られているということです。

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