関西の議論

「商業主義が行きすぎたか」STAP騒動は「ネイチャー」にも問題…日本のトップ3が明かした本音

 上本 日本に脳死移植の法律ができてから18年がたち、平成22年の改正によって家族の意思で臓器提供ができるようになった。世界的なスタンダードの仕組みになり、制度上は外国と同じことができるのですが、実際の臓器提供者は極めて少ない。

 そこで期待されるのが、iPS細胞からできる組織や臓器を使った再生医療です。臓器移植に携わる医師たちも、その研究を進めている。まだまだハードルがありますが。

 --iPS細胞は実用化へ向けて急ピッチで研究が進んでいます。まさに新しい時代の医療ですね

 高橋 iPS細胞が発明されてから6、7年で臨床応用まで行ったのはものすごく早いといわれますが、それは胚性幹細胞(ES細胞)の研究をずっと進めていた積み重ねがあるからで、やはり全部あわせると20年ぐらいはかかっています。そんな簡単に臨床応用はできない。

 しかも、眼球というのは新しい医療が最初に行われるところです。臓器移植は角膜と腎臓が一番早かったし、人工臓器でいえば人工レンズがある。抗体医薬品も眼科で最初に成功した。そして、iPS細胞でも網膜が一番早かった。

 小さい臓器であり、命に関わらないので、新しいことをやりやすい。じゃあ、例えば肝臓の再生はどうかというと、現時点では非常に難しい。だから、網膜で成功したからといって、次々にほかの臓器でもというわけにはいきません。

 次に来るのは、移植する細胞の数が少なくてよいもの、あるいは1種類の細胞だけで治療ができるもの。従って神経や内分泌細胞の分野、例えばパーキンソン病は近々、iPS細胞で治療できるでしょう(パーキンソン病は脳内で情報を伝える物質のドーパミンが少なくなって運動などに支障が生じる難病)。京都大で、ドーパミンを分泌する神経細胞を患者に移植する臨床研究の準備が進んでいます。

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