「週に2日休むとそれだけコストが上がる。会社の成績が上がらなければ世の模範にはならない。週休2日になってさらに発展するよう努力願いたい」。この言葉通り会社は成長を続け、「世界の松下」と呼ばれるまでになった。
週休2日制を他の国内企業が採用するのは55年ごろから。官公庁は平成4年に完全週休2日制を導入した。公立学校も同年から月に1回土曜日が休日になり、14年からは毎週土日が休みになった。
パナソニック社史室の中西雅子学芸員は「幸之助氏は常に日本の発展と世界競争に勝つことを意識していた。週休2日制は勤労意欲と能率の向上という成果を生み、日本人の働き方を変えるきっかけとなった」と説明する。
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企業には、歴史的な変化につながった経営者の英断や社員の奮闘などがある。社史をひもとき、その転換点を探る。
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【週休2日制】1年を通して月に1回以上週2日の休日がある制度。現在は世界中の企業が採用している。土曜日と日曜日の連休になる場合が多いが、どの曜日を休日にするかは企業や雇用主の自由とされており、サービス業などでは平日に2日休むこともある。毎週2日休みになるのは完全週休2日制と区分される。