映画と生きる

最高の音響空間で臨場感あふれる体験を 東京・立川シネマシティの「極音上映」…ユーミン、ドリカムの担当が調整

 最も大きなaスタジオは384席、最小のdスタジオ、eスタジオが177席で、すべての劇場にメイヤーサウンド社製のスピーカーが備えられている。コンサート用のスピーカーで、見た目は驚くほど小さい。「でもこれでかなりの大音量にも耐えられる。普通のスピーカーでそれだけの音を出すと、ユニットが吹っ飛びますよ」と椿原さんは強調する。

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 当初は特別な興行は行っていなかったが、契機になったのは21年の映画「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」だった。劇場建設のときにもお願いしたサウンド・スペース・コンポーザーの井出祐昭さんにこの空間の音響性能を最大限に生かせるよう調整してもらい、他の映画館との差別化を図ったところ、予想をはるかに上回る観客が詰めかけた。

 その後、23年5月には音楽映画を数本集めて「音響映画祭」を開催。翌24年には「舞台芸術映画祭」、25年にはエルヴィス・プレスリーのドキュメンタリー映画「エルヴィス・オン・ステージ」を極上音響に調整して上映し、「音のいい映画館」との評判が徐々に広がっていった。現在は毎月19日を「エルヴィスの日」としてプレスリー映画を極音上映しているほか、昨年10月からは毎月第2金曜に「極音ナイト」と称して音楽映画をセレクト。このほか、「イントゥ・ザ・ウッズ」「セッション」といった新作の音楽映画に、昨年の「GODZILLA ゴジラ」などアクション映画も特別に音響を調整して公開している。

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 調整作業を行うという4月2日、再びシネマ・ツーを訪れた。作業は通常の営業が終わった午後11時から始めるという。現在はサウンドシステムデザイナーの増(ます)旭(あきら)さん(64)のチームが主に請け負っていて、作業開始前に早めに来てもらって話を聞いた。