日本の議論

危険ウイルス研究施設動けぬ日本、「このままでは中国にアジアの感染症研究リードされてしまう」の懸念

住民側との議論は平行線

 だが、協議会では稼働に反対する住民と、安全面の対策は万全だと主張する感染研の議論が平行線だ。反対住民側が特に危惧するのが、施設が立川断層帯に隣接している点。国は、建物の耐震性は震度6強から7程度の大地震でも倒壊することはないと主張。施設の立地についても、住宅地に隣接する施設は海外でも稼働しているとする。

 住民側は「東日本大震災(の後の福島第一原子力発電所事故)を振り返っても、建物は無事でも電源が失われた。中の設備がどうなるかは分からない」と指摘。感染研は「バックアップ電源があるが、仮に電源が失われても冷蔵庫などの中にあるウイルスは、温度が上がると死んでしまう」と説明した。

 しかし、感染研の「放射性物質と異なり、病原体は光や熱で死滅してしまう」との説明に、住民が「放射性物質は測定できるが、微生物は測れない」と新たな不安を口にするなど、住民側の理解を得るのは難しい情勢だ。

 別の反対派住民は「都内にはエボラなどの感染症に対応できる病院が4カ所もあるのに、村山庁舎の近くにはない。もしもの時に治療できる場所が遠いと不安だ」と語る。「BSL4施設を中心に病院や大学などの研究機関、製薬企業を集めれば、国の一大研究拠点となる」と提案する。

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