日本の議論

危険ウイルス研究施設動けぬ日本、「このままでは中国にアジアの感染症研究リードされてしまう」の懸念

 近隣住民が不安視するBSL4施設とは、どのような施設なのか。厚労省によると、細菌やウイルスなどの病原体は、危険度が低い順にレベル1~4に分けられている。レベル1には人には無害な病原体、レベル2にはインフルエンザなど、レベル3には結核や狂犬病など、最高レベルのレベル4にはエボラ出血熱やラッサ熱などが分類される。BSL4施設は、レベル4の病原体の培養や実験が行える施設だ。

 村山庁舎にはレベル1~4まで全てに対応できる実験室があるが、レベル4施設が稼働していないため、エボラの感染が疑われる患者の検体検査は、レベル3の実験室で行われている。しかし、BSL3施設では検体の中にエボラウイルスがあるかどうかは調べられるが、検出されたウイルスを分離したり、遺伝子構造を調べたりすることはできない。レベル4のウイルスを保管することもできないため、エボラの治療薬やワクチンの開発に向けた研究もできない。

世界の状況は? 複数の施設持つ国も

 厚労省の資料によると、昨年12月時点でBSL4施設は世界の19カ国・地域に整備されている。アメリカの13施設を筆頭に、ドイツ、イギリス、スイス、オーストラリアなど複数の施設を持つ国も多い。

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