「献体」希望が高齢化で増加…「火葬費を負担してくれる」の声、終活ブームも

 だが、その後は時代とともに数は増加。同協会によると、平成元年度に10万人を突破し、26年度に26万人を超えた。要因は、昭和58年に献体に関する法整備がなされ、認知度が高まった。さらに、臓器移植の普及で解剖への抵抗感が薄れた▽阪神大震災や東日本大震災を経験し、自分の最期を自らの意思で決めようという人が増えたーなどが考えられるという。

 統計はないものの高齢者の増加が目立つといい、葬儀費用などへの不安を理由に挙げる人が少なくないという。献体登録をすれば、死後、遺体の搬送費用や火葬費用は大学側が負担する。遺骨を引き受ける先がない場合は、共同墓地などへの納骨も行うからだ。

 奈良県立医科大(同県橿原市)では昨年度、過去10年で最多の約90人が新規登録。火葬後の遺骨を高野山に納骨することも可能で、「そういった最期を希望される方も少なくない」(同大担当者)という。

 日本篤志献体協会理事で杏林大の松村讓兒教授は、過去に海外で献体をめぐり、遺体が売買されたケースを念頭に、献体は見返りを求めるものではないとして、「福祉の代行になってはならない」と指摘。医学の発展のため献体するという制度の趣旨の理解を求めている。

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