4月の新年度スタートから1カ月。新入社員など新たな生活が始まった人にとっては、突然やる気が失われてしまう五月病が気になる時期だ。精神的な疲労と捉えられがちだが、環境変化によるビタミンB群の欠乏が深く関係する「新生活疲労」と指摘する声もある。専門家は「毎日、効率的にビタミンB群を摂取することが大事」と呼び掛けている。(兼松康)
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環境変化で大量消費
「眠りが浅くて、朝、起きられない。だるくてやる気が出ないし、なんだか疲れやすい…」
総合メンタルクリニック「新宿溝口クリニック」(東京都新宿区)には5月の連休明け頃からこうした症状を訴える患者が増える。いわゆる五月病によく似た症状だが、同クリニックの溝口徹院長は「五月病という病気や病名はない」と語り、こうした患者を「新生活疲労によるもの」と定義する。
溝口院長によると、「新生活疲労」は新入社員などが新たな環境に身を置き、緊張や集中が続くことが原因。集中した作業が続くと、体内のビタミンB群を大量に消費する。加えて、この時期は歓迎会などでお酒を飲む機会が増える。アルコールの摂取はビタミンB群の大量消費につながる。