日本の議論

「キユーピーが兵器に商標出願」騒動の真相

ブランドイメージを守る「正統な手段」

 商標登録の中でも著名な商標に関しては、防護標章登録が認められている。防護標章制度は、使用しない区分にも登録することができ、他分野であっても他社から使用されることを防ぐことができる。

 キユーピーが第13類に登録したのもこの防護標章に当たり、キユーピーのロゴマークが兵器類などに使用されないように先手を打った形だ。

 特許情報提供サービス「特許情報プラットフォーム」によると、キユーピーは昭和56年から防護標章登録を行っており、徐々に範囲を広げ、13類のほかにも被服や建築関係など多岐にわたる分野で登録している。

 特許庁によると、平成25年の商標登録の出願件数は11万7千件で、そのうち45件が防護標章出願だったという。24年は11万9千件のうち52件、23年は10万8千件のうち54件、22年は11万3千件のうち59件が防護標章出願だった。

 特許情報プラットフォームで検索すると、ヤマトホールディングスの「クロネコ」▽森永製菓チョコボールの「キョロちゃん」-なども防護標章として登録されている。サンリオの「ハローキティー」は、キユーピー同様、第13類にも登録している。

 弁理士の大谷寛さんは、「防護標章は周知・著名なブランドのイメージに傷がつくのを守る、制度で認められた正統な手段。キユーピーのロゴマークのイメージを守ろうとする、キユーピーのブランドイメージ戦略の一環だろう」と話した。

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