新幹線に続き、航空機でも中国が日本に国際受注戦争を仕掛けようとしている。中国が約12年もの長い期間を費やして開発した初の国産ジェット旅客機「ARJ21」初号機が、ようやく中国・成都航空に引き渡され、近く商業運航を始める。座席数が78~90席と、今年5月に初飛行を予定する三菱航空機の「三菱リージョナルジェット(MRJ)」と競合するサイズの中小型機。日本としては市場投入で中国に先行された格好だが、国際的な評価ではMRJが圧勝の様相を呈する。そのワケは?
懸命のアピール「量産態勢整った!」
「8つの国内空港間で28ルート、81回のテストフライトを順調に終えた。累積飛行時間は172時間を超え、耐久基準をクリアした」
ARJ21を開発する中国商用飛機有限公司(COMAC)は昨年11月末、耐久試験を終えたことで、いよいよ商業飛行の準備が整ったと発表した。それに先立つ同月12日には、珠海航空ショーでデモ飛行を披露。8の字飛行などで観客を沸かせた。着陸後の機内からタラップに降りたCOMACの金壮竜会長は、満面の笑みを浮かべながら手を振るパフォーマンスを見せた。
COMACは同月、中国国内のリース会社とアフリカ・コンゴの政府から、ARJ21を合計23機受注したことも発表。合計の受注総数は昨年11月の時点で278機に達したとしている。現地報道では「受注が300機を超えた」とされているほか、「すでに西安の工場で量産態勢に入った」、「上海の新工場も完成した」など、世界へ向けて活発なアピールが行われている。