カラフルな急須も
南部鉄器といえば、黒い鉄の色をした重厚感のある品々を思い浮かべるが、南部鉄器の一貫生産メーカー、岩鋳(盛岡市)は、海外向けにカラフルな鉄製の急須を販売し、中国をはじめ広く好評を得ている。
同社がカラーの急須を扱い出したのは平成初頭。フランスの紅茶メーカー幹部が、商材を探しに日本を訪れた際、「フランス人にも人気の出るような色で、急須を作ってほしい」と依頼してきたのが最初だ。
塗料を高温で焼き付ける方式で、当初は赤、青、緑の3色の急須を製作。その後は色のバリエーションも増やし、欧州約15カ国や北米などで販売。急須よりは鉄瓶や鍋などがよく売れる中国などアジアも含め、すでに海外売り上げと国内売り上げが半々になっている状況だ。
同社では「日本が今後、少子高齢化を迎える中、海外にもどんどん広げたい。ただやみくもに広げるのではなく、日本の良さをきちんと分かってもらって広げていきたい」と話している。