春節や国慶節の時期を中心に、今や日常風景となりつつある、中国人観光客による爆買い。その爆買いが家電製品にとどまらず、包丁、ランドセルなど意外なものにも広がっている。「メード・イン・ジャパン」に対する信頼の高さや日本文化へのあこがれなどが相まって、日用品、土産品などとして、幅広く買い求められているようだ。(兼松康)
「中国の一般家庭に包丁は少ない」
日本の家庭では一般的な三徳包丁に、ペティナイフ、そしてピーラー(皮むき器)。いずれもセラミック製の3品に、樹脂製の抗菌仕様まな板をセットにした8554円の商品が、10セット単位で飛ぶように売れる。
東京都中央区の三越銀座店8階の包丁売り場。買っているのは、もちろん中国人観光客だ。
「陶器文化があるため、セラミック製品になじみが深い上、切れ味が良くさびにくい。価格も手頃で近隣への土産として買っていく人も多い」と説明するのは、同売り場を担当する井出哲司アシスタントセールスマネージャーだ。
井出さんによると、「中国の一般的な家庭にはあまり包丁がなく、果物ナイフがあるぐらい。金属ものと違ってさびないセラミック製の包丁が日常使いの品やお土産などとして喜ばれる」のだという。三徳包丁やピーラーなどをそろえて買い求める客が多かったため、同店がセットにしたところ、「非常によく売れた」という。
実は中国では包丁などの刃物を贈るのは縁起が悪いとされ、避けられてきたが、「それでも日本製の包丁の性能の良さに、おみやげとして求められることが多い」のだとか。
特に2月18日から1週間の春節期間には、中間層などが買い求めていく姿が目立った。