健康の指針

食事コレステロールもう気にしなくていい? 「血中濃度と無関係」 厚労省は抑制目標値「撤廃」

和食がお勧め

 コレステロールを含む食品は動物性タンパク質や脂溶性ビタミンなどを含む物も多い。「日本人の食事摂取基準」検討委の報告書には「高齢者では摂取量を制限すると低栄養を生じる可能性があり注意が必要」とし、高齢者には適度な摂取をむしろ推奨している。ただし、脂質は他の栄養素の2倍以上のカロリーがあり、食べ過ぎればカロリーオーバーとなる点は注意が必要だ。

 小林理事長は「食事のコレステロールを気にする必要はないが、脂質の量と質には気をつけてほしい。現代人が不足しがちな必須脂肪酸である『オメガ3脂肪酸』などをバランス良く取ることが大事で、それには魚や野菜を使った伝統的な和食がお勧めだ」と話している。

ゼロ表示は継続

 もはや食事のコレステロールを避ける必要はなさそうだが、そうすると「コレステロールゼロ」の表示は意味がないといえないだろうか。

 日清オイリオ(東京都中央区)は、13年からキャノーラ油などで「コレステロールゼロ」をうたってきた。広報IRグループは「油とコレステロールの関係を気にする人はまだ多い。求める人がいる以上、見直しは考えていない」とし、表示は今後も継続する。

 「ゼロノンコレステロールマヨネーズ」を販売するキユーピー(調布市)も「医師から控えるように言われたり少しでも減らしたいと考えたりする人はいるので、引き続き提供していきたい」としている。

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